きりたんぽの涙

最初の結婚は23才でした。

秋田の出身の人だったので、結婚した年末秋田に里帰り。義理の両親は、東北の素朴な人柄で、義父は言葉少ない穏やかな人、義母は、小柄で良く働く、笑顔の優しい人でした。

東北ならではなのきりたんぽでもてなしてくれたました。一緒に作りました。驚いたのが、炊いたご飯をスーパーのレジ袋に入れて潰したんです。つぶつぶが残っている状態で割り箸に巻きつけて、ホットプレートで焼きました。醤油ベースの出汁に、鶏肉(部位は何処だったか覚えていません)セリは絶対に欠かせなかった。初めてのきりたんぽの味は未だに忘れられません。

滞在の間に義母と二人になった時に、会話をしても通じない事が多くて…そうすると義母は「兄嫁もそうだよ、分からない時はそうやって微笑んでいるよ」そういう様な事を言いました。

両親は大好きでも、数年の間に夫婦は元に戻れない状態になってしまいました。幼い長男を連れて家を出ました。知らない土地で暮らしている時に、義母から手紙が来ました。

幼い孫へのこずかい、そしてやり直してくれないかとの言葉。


私はそれに対して、酷い仕打ちをしました。お金も送り返し、やり直すつもりは全くないと…

受け取った義母がどんな気持ちになったのか、分からない筈は無いです。だけど、これから幼い我が子を連れて知らない土地でやっていくには覚悟が必要だった。

それに、1円でも受け取りなく無かったと言う意地みたいな物も有りました。



今はスーパーで、普通にきりたんぽ売っています(今は時期外れですが)

義母の味には到底及びません。

心でつぶやきます。(お母さん、ごめんなさい。元気でいますか❓お母さんの事、本当に好きでした)